去年辺りから人気の角スパンによる外壁のカバーリング今年最後の工事になります。今回ご紹介する工事はインターネットから弊社を見つけてくださり打ち合わせを重ねて実現したものになります。弊社は小さい会社で、建築会社様の協力業者としても活動していますので外装フルリノベは年間で3棟〜5棟程度しか施工できません。その中の2023年最後の1棟になります。
施工前
推定築40年程度でしょうか。この頃の建物として一般的な作りです。軒下にはモルタル小壁があり、屋根がいくつも折り重なってデザイン性を高めている作りです。この頃は総二階建ての住宅は安っぽいとみられ殆どありませんでした。複雑な作り＝見栄えが良い時代でした。弊社はガルバ外壁が得意ですので建物の作りから角スパンを提案、他にも金属サイディングで無難に行く案も提示しましたがS様は角スパンをチョイス。大体このくらいの築年数だと無難に金属サイディングの柄物に行くのがセオリーで、弊社もやはり古めの建物に角スパンをシッカリと全面張った経験がなかったので少々不安では有りました。
施工中
選んで頂いた外装材は一枚物の角スパンで意匠性が高く、継目がないので雨漏りトラブルが起きにくい非常に良い材料です。こちらの写真にも写っていますがS様は要らない場所の窓は無くして欲しいと提案されました。主に隣家側でお互いに窓が重なった場所や、浴室、脱衣場など。昔は窓は出来るだけ多い方が明るいし、換気も出来て良いとされて来ましたが今の時代はそうでもありません。換気に関しては換気扇などの空調があれば十分出来ますし、隣家と目が合う窓や、道路から丸見えの窓は結局カーテン閉めっぱなしなってしまいがちです。S様と相談の上いくつかの窓を弊社で閉塞いたしました。
窓閉塞によるメリット
ガルバ外壁は何もない所こそ見せ場になる外壁でもありますので、フラットな部分が増えるとかっこよくなりますし、窓だった部分を壁にすれば断熱性能、防音性能の向上は大きく見込めます。その際は内部にしっかりと断熱材を充填します。断熱材をフェノールフォームなどの薄いものにして、あえて壁を凹ませてニッチにするなど可能性は様々です。窓だと物を置けませんが壁になれば物も置けるし、家具の配置の自由度が上がります。そして窓が無くなれば雨漏りの可能性は当然下がります。
窓閉塞によるデメリット
デメリットはあるものの室内が暗くなるのは電気を点ければ良いわけですし、今は人感センサー照明や明暗センサー照明がありますので、そういったものを利用すれば十分克服できる問題かと思います。窓を塞ぐ費用はどうしようもありませんが、S様のようにDIYで対応すれば安く済ませて好きな様にする事ができます。換気に関しては換気システムで計画的に換気すればクリアできます。
個別発注ｘ施主工事
S様はDIYを得意で内部の床を張り替えたりキッチンを直したりとご自身で家を綺麗に直されています。廊下のフロアの張り替え、框まで綺麗に納まっていますし、窓を閉じた場所の室内側もあっと言う間に断熱材を入れボードを張って表具まで仕上げていました。BSアンテナのベース台の留め方もステンレスのナットで外壁面になるように調整していました。
浴室＆玄関ドアカバーリング
玄関ドアやユニットバスは弊社を通さずS様自身が専門業者に直接発注。弊社を通ると弊社の売上になってしまうので、どうしても中間マージンを少し頂かなければなりません。弊社は中間マージンで利益を上げていくのではなく外壁工事で利益を出させて頂きますのでお客様の自己責任であれば問題有りません。だからと言ってこの辺りは一般の方にはおすすめしにくい部分ではあります。業者間の工期の段取りや何かあった場合の問題解決能力を柔軟にこなさなければトラブルになりかねませんので。ちなみに門灯、表札、ポスト、インターホンもお施主様工事です。
完成写真
外壁、軒裏、屋根、庇、雨樋など全てあたらくなりました。窓も一部無くなりガルバ外壁の得意とする”平面こそデザイン”が活きて来ます。
まとめ
今回の工事では築40年程度経っていても、ちゃんと拘ってメンテナンスすれば見違えるように綺麗になる事が分かりました。S様は今の言葉で言う”良いプロ施主”で、家に対して愛着、情熱がある方であり経験と技術を持った弊社とのコラボ作品とでも言えるのかもしれません。ただネットで得た情報を振りかざすのはプロ施主では有りません。S様の様に知識を持って業者と協力して良い方向に工事を進めていけるのが本当の意味のプロ施主”力”なんだなと再確認いたしました。
小田S様今回はありがとうございました。
後にS様より”家族みんな喜んでます”と嬉しいお言葉を頂けました。仕事をさせて頂き尚且つご満足頂けるのは私達の技術と経験と提案力を認めて頂けたと捉え、チーム（会社）としても喜びでした😊
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