雨漏り

雨漏りについて

雨漏りの原因の多くは無理がある造り、納まりに潜んでいます。シーリングが切れると雨漏りをするような納まりは危険です。本来雨仕舞というものは自然に逆らわず水の流れをコントロールするものであって100%水を反対方向に押しやるとか、防水してずっとその場に水を溜めると言うものではありません。

昔から雨仕舞に精通している板金店はそこを分かっている場合が多いですが雨漏り修繕経験の浅い他業種の方は分かっていない方が結構居ます。実際雨漏りの多くは屋根外壁じゃない事も往々にしてあります。エアコンダクト、換気ガラリ、ベランダ防水だったり。

こちらの住宅は既設外壁をそのままにして既設外壁の上から屋根と壁を作って屋根と壁の取合いをシーリングしただけの納め方。この仕事をしてくれと言われた100%雨漏りするので断ります。本来ならば外壁をある程度解体して雨押え(屋根壁取合いの板金役物)を2次防水の裏で立ち上げます。その後壁を復旧するのが正しい方法です。外壁は1次防水であって水はある程度入るものと考えなければなりません。

雨漏りは板金店以外の建築関係者にも相談すれば何かしてくれるかも知れませんが殆どの場合、とりあえずシーリングをあちこちする程度の場合が多く、止まったらラッキーで止まらなかったら意味無し&逆効果です。雨漏りは根が深いものになると原因を突き止めるまでに何回も工事をして数ヶ月〜1年かかる場合もありますので、一つ一つ雨漏りの可能性を順番に潰していき、最終的に雨漏りを止めるというのが流れです。

弊社ではご依頼頂いた雨漏り直しを100%止めています。1回で簡単に止まるものも有れば1年がかりの物もありますがお付き合い頂ける限り諦めたりはしません。1回で直らないからと行って他の業者に依頼する方が稀に居ますが、これはNGです。

上記のように可能性とコストを勘案して一つやっては様子を見て駄目なら次の可能性へを繰り返します。その際の工事に関してはいつも以上に気を使い、完璧にする事でその部分の雨漏りの可能性をゼロにして次に進めますので必ず雨漏りを止めることが出来ます。

雨漏り直しは消去法です。1回の工事で必ず直るとは絶対に言えません。

雨樋を起こさない為に

そもそも雨漏りを起こさない為にはどうしたらいいのかを考えましょう

  • 建物をなるべく複雑にしない
    1つ複雑にしたら1つ雨漏りの可能性が出来ると考えましょう
  • やたらに増築しない
    その増築本当に必要ですか?生活を変えて解決出来るか考えましょう
  • 露出型のベランダは付けない
    完全露出はやめましょう、なにか明確な目的が合るなら大きいリスクを取る覚悟で
  • 勾配は強めに取る
    意外と軽視されがちです。縦葺きは5分勾配、1寸勾配でスペック上は大丈夫と思われますが緩勾配は色々悪さを引き起こします。最低でも2寸勾配は取れるようにしましょう
  • 2次防水をする
    外壁は雨が入るものと思いましょう。1%〜5%程度は入るつもりで1次防水をしっかりしなければいけません
  • 地域、造りに合った材料を使う
    軒ゼロに窯業サイディング、雪国の屋根にカラーベストなどは本当にそれで良いのか考えましょう
  • メンテナンス、点検を適切に行う
    時々自宅を自分の目で点検して下さい。何か気になれば工務店か板金店に相談して下さい

究極に雨漏りしない家とは

  1. 切妻3寸5分勾配以上の四角い平屋(ベランダ無し)
  2. 切妻切妻3寸5分勾配以上の四角い総二階(ベランダ無し)

この2つが雨漏りしにくい家の代表でしょう。仮に雨漏りしても場所の特定が容易である事もメリットです。ですが日本の住宅をこの2種類にしろと言っているワケわけではありません。凸凹があったほうがカッコイイ、変わった造りで目立ちたい、2階にベランダは憧れだ、など色んな考え、感性が合ってこそ人間です。良いと思います。

ただリスクを取っている事を忘れてはいけません。複雑にすれば早々とメンテナンスがやってくるかもしれません。それを承知でしっかりと修繕費を積み立てるなど計画性を持ち、その時が来ても焦らず対応出来るようにしましょう。「今お住いのアパートの賃料で家が建てられますよ!」などのセールストークの鵜呑みにしてはいけません。

これは作る側も問題が有ると思っています。お客さんはそこまで詳しくない事が多いのでメリット・デメリットをちゃんと伝えて選択してもらうという事をもっとしていかなければならないのではと思っています。