


先日施工した雨漏り直しのレポートです。この案件は数年前から何回かに渡り対策をして来ている案件で、今回最後の施工にするべく取り掛かりました。
原因究明
この案件では
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アルミベランダと外壁の間からの浸水 70%
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外壁の塗装の劣化による全体的な水の浸透 20%
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隣の窓、霧除けからの浸水 10%
が主に考えられる要因でした。
部分的に板金を張ってみたり、シーリングしてみたりで様子を見ながら一年ほど経過・・
お客様と相談し最後の施工へ
アルミベランダが一番可能性は高いですが費用が数十万円掛かってしまうのでそれ以外の要因から可能性を潰していきましたが、やはり雨漏りは止まりませんでした。その過程で判明した重大な欠陥を見つけることが出来ました。それはベランダが乗っている霧除けの壁内立ち上げが無いという事実、これは通常考えられませんが、事実その様になっていました。
これでは全てが怪しくなってしまいました。
一般的には外壁で雨の侵入を防ぐと思ってらっしゃる方が殆どですが、外壁はあくまでも一時防水であって外壁だけで雨を防いでいるわけではありません。防水紙や板金で二次防水がされているのですが、この案件では二次防水機能がありませんでしたので外壁から少しでも雨が入ったら即雨漏りの状態でした。



最後はアルミベランダを撤去して、雨漏り箇所を確実にして、霧除けを張り直し外壁も増し張りして雨漏り要因を全て払拭してベランダを復旧。これで99%治るでしょう。ただ費用もこれまでとは違い数十万円と高額になるました。
雨漏り直しに慣れていない方がよくやってしまうのが、とにかくシーリングをしてしまう事です。これをやってしまうと余計に原因を増やすことに成りかねませんので信頼できる人に任せるのが一番です。あと治らないからと言って色んな人にみてもらうのも危険です。信頼できる業者にじっくり時間を掛けてみてもらうのが確実です。その業者を見極めるのは難しいですが・・・
雨漏り直しの流れ
雨漏りは色々トラブルに繋がりやすい大変デリケートな業務です。速攻解決!一発で止める!とか宣伝している方がいますが、本当に信用できるのでしょうか?ちょっと疑問です。
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訪問、状況の聞き取り
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費用対効果の説明
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施工
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様子見
これの繰り返しです。雨漏りは一発で治るものだと思ってはいけません。お客様もこの辺はご理解して頂き、ある程度の費用や長期戦の覚悟を持って望まれたほうが良いでしょう。同じ雨漏りでも、その場ですぐ治るものや、本件のように数年掛かるものもあります。
最後に
鈑金店としても雨漏り修理は実は利益率の良い仕事ではありません。それはそうです、お困りのお客様から、施工しても治るかどうか分からない仕事で通常の利益率でお代を頂くことは心苦しくて出来ないものです。ただ、我々も商売ですので直らなかった代金は払わないと言われるお客様の仕事はお断りしています。動けば動いた分だけ人件費は掛かるし、材料も掛かるのですから。
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