皆さんはガルバの外壁についてどのようなイメージを持たれていますか?
・工場?
・冷たい?
・トタン?
・種類なさそう
といった感じでしょうか?
私は板金店を経営している人間ですから半分ポジショントークとして聞いていただければと思います。
これは私の自宅の車庫になります。屋根、外壁に横葺きを使っています。特に外壁に横葺きを縦に使うというのは新発想で非常に意匠的に面白いと一人で気に入っています。
角度は違いますが直す前です。酷い状態でした。
オーバーハング部分は段々の厚みを残した掴みこみで役物レス仕上げ。屋根の時のようにびっちりカシメると段々が表現出来ず歪が酷くなるので注意が必要です。開口部(オーバーハング、下がり壁等)自体の納まりは良いです。
シンプルで無機質なガルバは植物との相性も良いです。見る角度でこの様に印象が変わります。
ただこの工法は入り組んだ複雑な建物には向きません。特に窓の張り仕舞いのイッテコイ問題があります。
イッテコイ「行って来い」とは・・・材料をいったん片側に送り出してから、逆方向へ引き戻す事
この点は角波や波板は外壁材として優れており正面から入れることでイッテコイの必要がありません。
イッテコイ位すれば良いじゃないと思うかもしれませんが、普通に張ると窓がじゃまになり材料が送り出せずに前の板に引っ掛けることが出来ないのです。
これを回避する技術的な方法は3パターンほど考案済みではありますが悩みどころでもあります。
あとは外壁が斜めの連続なので換気扇のガラリなどの壁付機器の取付が困難になります。平らな台を先に作ってそこに取り付けたり、強引に斜めのまま取り付けるしか無いでしょう。
似た意匠としては嵌合式立平葺を外壁に使うのは最近良くみますが、こちらは嵌合部が少々ゴツく結構インダストリアル感が出るので好みが分かれる所です。イッテコイしなくていいので窓の納まりはコチラの方が良いと思います。
横葺き縦張りは小屋や車庫に張るには凄く良いと思うので気になる方はお問い合わせ下さい。
(住宅に張ってみたいという奇特な方がいらっしゃれば、こちらもお問い合わせ下さい)
裏張りが無い(勝手に通気層が出来る)ので既設外壁に下地無しで直に張れるし、厚みが1cm以下なので変に出っ張ることもなく扱いやすい一面もあり、尚且、下地が必須の金属サイディングよりローコストに仕上がる場合が多いです。

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