先日ご依頼頂きました雨樋工事が完了いたしました。K様ありがとうございました。
20年以上頑張ってきたであろう雨樋が、この冬の雪でついに破損してしまい、今回雨樋交換工事の依頼を頂きました。
曲がり部分が多数割れていましたので水落デザイン(集水器の位置決め)を見直し、集水器を増やしまして再度曲がりが壊れないように。
注意ポイント
雨樋は主に樹脂製の為、夏、冬で伸縮します。寄棟の場合など左右に角がある場合、伸縮を吸収する場所が無く一番弱い角が冬の収縮で割れてしまいます。対策としては集水器を付けてその中で軒といを切断する事で伸縮を吸収します。また伸縮に対応した軒継手部品もあります。
既設雨樋を撤去し、弊社お得意のガルバリウム鋼板での板金包を施し、水糸で水勾配を取りながらステンレスの支え付き金具をステンレのビスで留め付けていきます。塗装よりガルバリウムの方が費用は倍以上掛かりますが、断然長持ちします。15年〜20年経年変化しても色が薄まる程度で、みすぼらしくならずコストパフォーマンスに優れます。
ステンレス金具に鉄ビスでの施工はNGです。ステンレスX鉄による電蝕劣化でビスの痛みも早くなります。今回の雨樋脱落の原因は鉄ビスの使用にる金具の脱落になります。金具がステンレスでもそれを保持しているビスが鉄なら、鉄ビスの耐用年数が終われば今回のように脱落してしまい、ステンレスの金具を使っている意味がありません。
住宅建築全般では様々な部材が相互に絡み合っている所が多く、部分交換などが難しい為、耐用年数のバランスを考え、ある程度揃える必要性が有ると私は思っています。
ポイント
ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカ合衆国ベスレヘム・スチールが開発したアルミニウム亜鉛合金めっき鋼板です。水にさらされると鉄よりも亜鉛が先に溶け出し鉄を守る仕組みです。
今回はグレーの半丸雨樋をお選び頂きました。雨樋は今、四角い物、大型のものなど色々な物があります。この半丸雨樋は元祖雨樋の形ですが、どんな形より理に適った形状なんです。もちろん水は低い所に集まる物ですので最後の一滴まで底に導かれます。そして雨樋取付の際に付けた勾配によって最後の水まで残さず流しきります。軒樋を繋ぐ部品も半丸なのでテンションが掛かりしっかりジョイントすることが出来ますので接着不良も起こりにくい。上面が大きく開口されているので掃除も簡単に出来る。
昔の人は自然に倣って良く考えていたんだなぁと感心します。
弊社ではステンビスは5本留めを標準としています。3本留めでも問題はないですが5本留めれば強度は更に上がります。人がぶら下がっても取れません。
それにしても規則正しく並んだステンレス金具は美しいですね。
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