瓦棒葺屋根のカバーリングとは?
瓦棒葺(かわらぼうぶき)屋根は、伝統的な日本の屋根材であるトタン(現在はガルバ)を使った屋根材の一種で、特に古い住宅や商業施設などに多く見られます。このタイプの屋根は、緩勾配対応で縦ラインの外観と耐久性が魅力的ですが、時が経つとどうしても劣化や補修が必要になります。そんなときに検討したいのが「カバーリング」です。
瓦棒葺屋根が古くなった場合、一般的に勧められるのがカバーリング工法です。この方法は現在の屋根を剥がさずに施工出来る為、天候に左右されず施工が行いる大きなメリットがあります。
他にもメリットはいくつかあります。
- 解体費用が不要:既存の屋根材を撤去する必要がなく、その分工事費用を抑えることができます。
- 工期の短縮:既存の屋根材をそのまま利用するため、解体作業が不要で工期を大幅に短縮できます。
- 防水性の向上:新しい屋根材が防水機能を持っているため、雨漏りを防ぎやすくなります。
このようなメリットがあります。一方デメリットは将来再度屋根の改修が必要になった場合にもうカバーリング工法が出来ないと言う点です。その際に屋根を剥がす費用が通常より多くかかる場合が有ります。
今回の雨漏りは雪止め金具の下に水が停滞して腐食が進み穴が空いた事で雨水が入り雨漏りが起こっていました。これは瓦棒葺の大きなデメリットで、多くの場合はこのパターンで瓦棒あるある不具合です。カバーリングと言っても既設屋根は全くそのままで施工できる訳ではなく、写真のように屋根の外周は撤去しなけばなりません。これは唐草と言う水切りのような部材の交換が必要な為です。必要によっては木材も交換します。
既設瓦棒葺の間にフエルト紙を敷き込み貰い錆を防止します。その次に新規屋根板を並べ吊り子で固定後、縦ライン部分にキャップを被せ専用のカシメ機で仕上げます。
この現場は私一人で担当し3.5日で完工しました。
まとめ
瓦棒葺屋根のカバーリングは、コスト削減や工期短縮という点では非常に効果的ですが、元々の屋根に潜む問題をそのままにしてしまう可能性や将来的なメンテナンスに関するデメリットも考慮しなければなりません。
カバーリングを検討する際は、屋根の状態を正確に把握し、信頼できる業者に相談して、カバーリングが最適な選択かどうかを慎重に判断することが大切です。
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