ガルバリウム鋼板の保証と褪色についてのまとめ

弊社がメインに使用している日鉄鋼板株式会社のセリオスプライムを例に保証や褪色について時々お問い合わせをいただく事があります。お問い合わせ内容としては、保証はあるのか?色褪せはするのか?遮熱?防汚?などの気になる項目を共有してみたいと思います。

目次

保証に関して

シルバー施工直後

基本保証としては”屋根用塗装/亜鉛系めっき鋼板の標準保証規格”が何もしなくても付いています。この保証は国土交通省の【住宅の品質確保の促進等に関する法律】に対応した物になります。使用条件や免責事項はあります。あとはメーカーの個別保証もありますが折り曲げたり、切り口などの加工部分は保証対象になりませんが明らかな異常が見られる場合、保証書の有無に関わらず調査、対応するそうです。こちらの保証は本来現場毎に申請して保証書を発行しなければなりませんが一般認知度は低くほとんど発行されてない様です。

褪色に関して

色不明20年経過

メーカからの話を聞いて褪色しにくい色をランキング形式にしてみました。

第一位

コットンホワイト、グレーホワイト、スノーホワイト

第二位

マットシルバー、シルバー、メタリックシャンパン

第三位

ギングロ、グレー、ブルーグレー、アイボリー

第四位

ブラック、ダークグレー、ダークブラウン

第五位

モスグリーン、ネイビーブルー、レッド

基本的には無彩色で薄い色が褪色しにくく、原色系で濃い色が褪色しやすいです。褪色は白方向に色が動くので無彩色でも黒は褪色が目立ちやすいです。ギングロなどのメタリック系はアルミフレークと言うアルミの粉が配合されていて、これによりメタリック感を演出しています。このアルミフレークの層もいずれ落ちてきますとメタリック感がなくなり黒っぽくなってその後ゆっくり褪色して行きます。そう言う意味ではメタリック系は色の割に少し褪色に強い印象があります。

小田

モスグリーンを例に施工直後と18年経過したガルバの画像です。

同じ現場でもなく、光の加減もあるので比較精度は低いですが3年経過すると若干色が薄くなって来たかなという印象です。さすがに18年経過すると褪色が進み、世の中であまり見慣れない薄い緑色になるので若干の違和感が出るのでしょうか。これがブラックであればよく見るグレーになるだけなので無彩色がやはり有利なのかもしれません。そうは言っても有彩色でも塗装が全体的に褪色していくので白方向に色が変化すると思えば納得出来る範囲かと思います。褪色しても特別汚らしくなる訳ではありません。

褪色の基準は、一般的に色差⊿E(デルタ・イー)7以上で保証が検討されるケースが多い様です。画像はメーカーのカタログの抜粋で、色差⊿E9.8がどの程度か確認できます。この色の差を9.8と考えると7も大体はわかると思います。ちなみに変褪色保証は艶消しのみ15年付いていますがエナメルの方はこの保証はありません。だからと言って実務上、艶消しより褪色を感じたかと言われたら、そうでもありません。むしろメタリックシャンパンは凄く色が長持ちしている印象すらあります。

まとめ

  • 色褪せがどうしても嫌な人は白系
  • 黒は徐々にグレーになる
  • 有彩色は褪色が目立ちやすい

熱を保ちやすい濃い色には遮熱機能、汚れが目立つ薄い色には防汚機能が備わっているので結局は好きな色を選ぶのが一番良いと思います。敢えて何色がオススメかと言われたら私ならギングロかメタリックシャンパンを推します。メタリックカラーは元々見る角度で色の濃さが大きく変わり色の印象がハッキリしないので褪色も感じにくく、汚れも目立ちにくいです。

小田

褪色も味と思えば意外と悪く無いですよ。

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